「父を許さない」選択。一生残る心の傷。それでも支えてくれる人々と前へ向かって進んでいく。|最終回・DV父とモラハラ夫

「父を許さない」選択。一生残る心の傷。それでも支えてくれる人々と前へ向かって進んでいく。|最終回・DV父とモラハラ夫

先週から4回に渡りお送りしてきた、成田玲美さんの連載企画『DV父とモラハラ夫』。

最終回となる今回は、現在の玲美さんと、玲美さんをとりまく人間模様、そして玲美さんからのメッセージを書いていただきました。

父への気持ち

父がアルツハイマーに。

つい先日約30年ぶりに姉から連絡がありました。

「父がアルツハイマーになって精神科に入院している。会ってやってくれないか」というのです。

ずいぶん迷いました。

いくら心から憎み許すことはできない父でも、この父がいなかったら今私はここにはいないからです。

しかし私は「会わない」決断をし、今までの辛かった出来事をすべて姉に伝えました。

父から受けたのは心の傷ばかりではありません。

暴力によって何度も鼓膜が傷つき耳が遠いこと、背骨はゆがみ、体のあちこちに影響が出ました。母が統合失調症になってしまったことも許すことの出来に原因の一つです。

父はアルツハイマーということでこれからはどんどん物がわからなくなり、私たちを傷つけた事実さえ忘れてしまうでしょう。

でも、私はそれで父は社会的制裁を受けたのだと納得したいと思っています。

一生残る心の傷。

虐待やいじめ、ハラスメントでついてしまった心の傷は一生残ります。

いくら投薬治療やカウンセリングで症状は落ち着いたとしても、似たような環境が目の前にあるとフラッシュバックし心身に不調をきたしてしまうこともあるのです。

私の場合は父もそうですが学生時代いじめてきたクラスメイトや旦那、姑を今でも心から許すことはできません。

しかし、憎しみばかりに縛り付けられていても前へは進めないのです。

嵐のただ中にいても生きていられた理由

うつ病を治そうと頑張っていたころ、先生から言われた一言があります。

「心の病はまじめで頑張り屋がなることが多い。
だからちょっと調子が良くなってくるとすぐに治ったんだと勘違いして無理してしまい悪化するケースが多い。
だから、治そうと意気込むのではなく相方だと思ってうまく付き合うようにすればいい」と。

私自身今でも旦那や姑からの精神的な攻撃はまだ続いているので決して心穏やかとは言えない毎日です。

体も常に不調をきたし薬を飲んでも動くことができない日もあります。

それでも何とか生きていられるのは、自分の体験をもとにアドバイスしてくれる母や辛いときそばにいて話を聞いてくれる子供。

それに口に出して話すのも嫌になってしまうような言葉をネットで吐き出したときに、黙って聞いてくれるSNSでのつながり。

そして今起きている様々な症状と向き合い必死に治療してくれる医師と出会えたからだと思います。

こうして自分の心の闇を吐きだしたとき黙って聞いてくれる仲間ができたことで、私はハラスメントの真最中の生活の中でも笑顔を手に入れることができたのです。

同じように苦しんでいる人達へ

自分が安全でいられる場所をつくってください

同じように虐待やいじめ様々なハラスメントで心を痛めている人達へ。

辛くて苦しい、死にたい思いをしているのはあなただけではありません。

自分だけだと殻に閉じこもらずに、辛いなら辛いと自由に吐き出せる環境をどうか作ってください。

まずは身近な人たちから。

身近で理解してくれる人がいないならネットを使ってもいのです。ネットなら嫌な相手はブロックすることもできます。

安全な場所を確保したら自分の思いを少しずつでも吐き出してください、そして自分を傷つける環境から離れてください。

相手は気付いていないのです

虐待やいじめ、ハラスメントの加害者たちが共通して言う言葉に
「相手がそこまで嫌な思いをしているとは思わなかった」
というのがあります。

この言葉は実は嘘ではないのです。

本当に自分たちのしていること、話した言葉が相手を傷つけているのだということに気が付いていないのです。

だからといって、自分がどれほど傷ついていることを相手に訴えても、話を聞いてはくれませんし、理解もしてはくれません。

だからこそそこから抜け出せるように自分で準備していくしかないのです。

心傷ついて生きるのも辛くなっている人たちが、自由に自分の気持ちを吐きだせる場所を確保できて、少しでも笑顔になれることを心から願っています。

ここまでの更新:

横暴な父からの暴力、虐待、ネグレクト。母の苦悩。|第1回・DV父とモラハラ夫

学生時代の壮絶ないじめ…でも目の見えない女性と出会うことで変わり、福祉の世界へ。|第2回・DV父とモラハラ夫

介護福祉士として楽しく働く日々、結婚…そして始まった「言葉の暴力」|第3回・DV父とモラハラ夫

「父を許さない」選択。一生残る心の傷。それでも支えてくれる人々と前へ向かって進んでいく。|最終回・DV父とモラハラ夫

併せて読みたい:

父親からの虐待。消してしまいたい過去。親友との出会い。|第1回・機能不全家族とPTSD

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