精神保健福祉士とはなにか。支援の内容や患者との関わり方について|第1回・精神疾患への支援について

精神保健福祉士とはなにか。支援の内容や患者との関わり方について|第1回・精神疾患への支援について

今回から、精神保健福祉士・相談支援専門員のsibattiさんをお迎えし、特別連載企画『精神疾患への支援について』をお送りしていきます。

第1回となる今回は精神保健福祉士について、第2回となる次回は相談支援専門員について、制度の説明をしていただきました。

耳慣れないな?という人にもわかりやすくまとめてくださっていますので、早速読んでいきましょう。

実は精神疾患は非常に身近な病気です。

現在ストレス社会と言われています。

その証拠に平成26年度に発行された精神保健福祉手帳を所持している人は361万人となっています。

一説によると全人口の3分の1が統合失調症やうつ病などの精神疾患に罹患する可能性があるとすら言われています。

精神疾患の人を福祉的な視点から援助していくのが精神保健福祉士です。

病気になったら…通院?

精神疾患に罹患してしまった場合、通常だと精神科・心療内科・メンタルクリニックに受診する事になります。

そこには医師看護師がいて、服薬指導を行います。

病院によっては臨床心理士を配置している病院もあり、そのような病院だと認知行動療法などの心理療法を行うようになります。

このような専門職は医学的なアプローチを行います。

しかし精神疾患に罹患すると医師の診察や心理療法を受けていても、発病する前よりもできることが少なくなってしまいます。

例えば発病前には出来ていた調理や掃除が出来なくなります。人によっては金銭管理が出来なくなる場合もあります。

そのような時に大きな力になるのが精神保健福祉士という専門職です。

精神保健福祉士とは

精神保健福祉士とは精神疾患に特化した福祉の専門職で、主に精神科病院・メンタルクリニックに配置されています。

それ以外だと障害者総合支援法という法律で運営されているグループホームや就労継続支援関連の施設・市役所や保健所などの行政機関にも配置されています。

精神保健福祉士の守備範囲は非常に広く
・入院時の基本情報収集
・退院時の家族や相談支援専門員への連絡調整
・障害年金などのお金に関する相談
など多岐に渡ります。

精神科病院にもよりますが、退院後に利用するグループホームや就労継続支援施設に同行訪問する場合もあります。

また精神科病院によっては精神科訪問看護というサービスを提供している病院もあります。

この制度は看護師・作業療法士・精神保健福祉士がチームを組んで自宅を訪問して、患者さんの身体面・精神面のサポートを行います

具体的には服薬指導をしたり、生活するうえで不安なことなどを聞き、具体的なアドバイスを行います。

精神保健福祉士とは以上のようなサポートを患者さんに実施しており、精神科訪問看護は外来患者に対して提供されます。

精神保健福祉士が考える、精神保健福祉士を利用するメリット~私の体験談から~

精神保健福祉士にもよりますが、私が業務をしている中で「これは当事者に対してメリットであろう。」と考えるメリットが3つほどあります。

こちらでは私の体験談をふまえ、精神保健福祉士を利用するメリットを紹介していきたいと思います。

①退院後の通院費用が軽くなる

精神科・心療内科に通院する期間は通常の内科や外科に通院する場合とは違い、かなり長期間になる傾向があります。

そのため通常の健康保険や国民健康保険だとかなりの負担が生じてしまいます。

その負担を軽くするため、医療費が安くなる制度がありるのですが、この制度を利用するためには医師の診断書が必要だったり、市役所とのやり取りが必要になります。

この手続き自体はそこまで難しいやり取りではなく、精神疾患を持っている人でも自分で行っている人もいますが、対人コミュニケーションが苦手な人だとつまずいてしまう可能性もあります。

そこを精神保健福祉士がサポートする事で、退院後の通院が上手くいく場合があります。

実際の事例

私は精神保健福祉士として精神科病院で勤務していく中でAさんという人に出会いました。

その人はうつ病・解離性障害で対人関係が苦手でした。

その方は長期間に渡る服薬が必要でしたが、初めての人が苦手という事があり、市役所には行けないと言われました。

しかし私が市役所に代行する事で無事手続きが終了し、その人は通院を続けることが出来ました。

②障害年金の請求を確実に行います。

二つ目に、病気の状態によっては障害年金の請求をサポートできるというメリットがあります。

障害年金の請求は書類の数が非常に多いだけでなく、その質も非常に細かい内容を求められます

正直言って精神障害や知的障害がない人でも難しい書類で、法律の専門家である弁護士や司法書士でも慣れていないと難しい書類だと思います。

※以前の特別連載『双極性障がいとわたし』の中で、ライターのばんびさんが実際に孤軍奮闘しながら自力で取得した様子が描かれていましたね。関連記事はこちら。

障がい者手帳・自立支援手帳・障がい年金についての体験談|第9回・双極性障がいとわたし

https://www.kokoromente.com/banbi-soukyoku-009/

精神保健福祉士は医師とも連携が取れているので、年金の請求が得意です。

同じような業務を行う専門職として社会保険労務士があります。

こちらは費用が発生する場合がほとんどだと思いますが、精神保健福祉士の場合だとほとんどの場合無料で行うので、これは利用者にとってかなりお得だろうと思われます。

実際の事例

私は統合失調症のBさん障害年金の請求を代行したことがありました。

その人は対人恐怖はなかったので市役所で必要な書類は自分で用意してもらったのですが、文書を書くのが苦手な人で、病歴・就労状況等申立書に過去の病歴や就労状況をまとめることが出来ませんでした。

そこで私がカルテを確認しながら一緒に作成し、無事に書類を社会保険事務所に提出することが出来ました。

今ではきちんと障害年金を受給しています。

③生活に必要な情報を伝えます。

三つ目のメリットは障害者総合支援法以外の地域の情報なども利用者に分かりやすく説明できる点です。

地域の情報とはたとえば、スーパーの特売情報などです。

精神疾患を持っているとどうしても物事への理解が減退してしまいます。

その点は薬を服用していても治すことはできませんが、精神疾患を持っている人はそのような状態で地域で生活しなければいけません。

そして生活していく上ではスーパーやコンビニなどはもちろん、車やバスも移動手段として利用しなければなりません。

精神保健福祉士はどこのスーパーや安売りをしているのかどこにコンビニがあるのか、またどこの車屋さんやカーディーラーが在庫一掃セールをしているかなどの地域情報を分かりやすく説明することもあるのです。

実際の事例

退院寸前の統合失調症であるCさんからどこのスーパーが安いか聞かれました。

その人はSというスーパーに行くとりんごが襲ってくるという妄想を持っていたのと、絵にかくと理解しやすい人だったので、隣町にあるTというスーパーの地図を描き、そのスーパーが安売りしている日時を紙に書いて伝えました。

精神保健福祉士は身近になったでしょうか?

このような事を行っていくので、精神保健福祉士のサポートを受けることによって、精神疾患を持っていても、安心して地域の中で生活を営んでいくことが可能になります。

次回は、相談支援専門員についてご紹介していきます。

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