統合失調症を持ちながら、グループホームで生活しているタロウさんの事例について~精神科入院から安定したグループホームでの生活まで~前編|第4回・精神疾患への支援について

統合失調症を持ちながら、グループホームで生活しているタロウさんの事例について~精神科入院から安定したグループホームでの生活まで~前編|第4回・精神疾患への支援について

①家族構成

・タロウさん(50歳)
・父親(80歳)
・母親(70歳)
・妹(45歳)
・妹の夫(48歳)
の5人です。

タロウさんの職業は無職で、妹は美容師をしており、妹の夫は弁護士をしています。

②関わっている支援機関

入院前は
・A精神科デイケア:精神保健福祉士、看護師
・A精神科系列の地域生活支援センター:精神保健福祉士(私)
・A精神科病院:主治医、看護師
が関わっていました。

入院してからは
・B精神科病院:主治医、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、
・保健所措置入院担当者
・警察官
が関わるようになりました。

退院直前になると
・市役所保健師
・相談支援専門員(私)
が関わるようになります。

最後には
・精神科グループホームのサービス管理責任者
も加わりました。

そして精神科グループホームに入所してからは、
・相談支援専門員
・C精神科関係の精神科グループホームサービス管理責任者
・市役所保健師
・C精神科デイケアの精神保健福祉士
が関わりました。

③タロウさんの病歴と病状

タロウさんは地元の名門私立中学を卒業し、有名企業への就職を期待されていました。

しかしタロウさんには実は有名企業への就職希望はなく、地元でイリコ専門の漁師になりたいと考えていたそうです。

しかし両親の希望により地元の超有名進学校へ進学をした時から、ストレスから不眠になり、学校の勉強ができないだけでなく、不登校になっていきました。

それでもなんとか高校は卒業したのですが、大学進学はおろか就職もできず家にいるようになりました。

両親は明らかにおかしいと思うようになり、管轄地域の保健所に連絡して、精神科に無理やり通院させるようになりました。

④私とタロウさんの出会い

私とタロウさんが出会ったのは私が22歳の時で、その時私は精神保健福祉士の国家資格を取得したばかりの新人の時でした。

当時の私は相談支援専門員の資格も知識もなく、駆け出しの精神保健福祉士だったので、何とかタロウさんの妄想を分かろうと努力していました。

その姿がタロウさんにも伝わったのか、
「若いのに大変な仕事を選んだな。」
とねぎらいの言葉をかけてくれたこともたくさんありました。

そして私はタロウさんには同じ統合失調症の仲間が必要ではないかと考え、私が当時所属していた地域生活支援センターのプログラムや、私が所属している法人の精神科デイケアを紹介して、タロウさんには1年程度そちらに通う事になりました。

しかし1年後デイケアのスタッフがお金を搾取しているという妄想を言い出し、私は説得しましたがタロウさんの意思は非常に固く、辞めていきました。

⑤タロウさんの病状悪化

タロウさんが地域生活支援センター・デイケアを辞めてから、タロウさんはA病院の診察だけは受けていました。

しかし2年後、タロウさんは突然保健所に保護されました。

その理由は父親・母親がタロウさんのお金を全部搾取したという妄想にかられ、父親・母親に半死半生の大けがを負わせたからです。

美容師をしている妹が異変に気が付き警察署に通報したのです。

警察官が保健所に対して精神保健福祉法に基づいた警察官通報をし、措置入院のための診察をA病院に依頼してきました。

そしてその診察の時に私はたまたまタロウさんの姿を見てしまったのです。

その時私は一刻も早く入院して、早くもとの穏やかなタロウさんに戻ってもらいたいと切に念じていました。

⑥B病院に措置入院となってからは長期入院になりましたが、徐々に落ち着いてきました。

それから私はタロウさんについて非常に気になっていました。

そのため保健所の担当者や警察官に何回かタロウさんにつてい聞いたのですが、
「あなたには非常に悪いんだけど、個人情報保護法の関係でタロウさんがどこに入院しているのか、教えることはできないんです。ごめんなさい。」
と言われました。

しかしB病院の精神保健福祉士との交流会の際に、
「こんな人がいたんです。」
と伝えると、
「その人うちの病院にいる人だね。個人情報のことは確かにあるけど、あんたは精神保健福祉士だから教えても大丈夫でしょう。」
と言われ、
「タロウさんは服薬もきちんと行えるようになって、今は自己服薬のコントロールをしてるよ。また一人暮らしが出来るように、作業療法士や一緒になって、買い物のトレーニングや洗濯の練習をしているんだよ。」
と教えてくれました。

その時、私はB病院に措置入院になって良かったと本当に思いました。

⑦グループホーム入所に向けて調整を私が行うことになりました。

B病院の精神保健福祉士になってから半年ほどした時、私は相談支援専門員の資格を取得し、地域生活支援センターの中でも相談支援という部門を受け持つことになりました。

ちょうどその時、B病院の精神保健福祉士から連絡がありました。

その内容はタロウさんの主治医から精神科グループホームであれば退院可能という見解がでて、ホームに入所するための調整を私に依頼したいと希望があったということでした。

その際これは私にとって良縁だと思い、受け持つと二つ返事でB病院の精神保健福祉士に返事をしました。

しかし、思いもよらず、ホーム入所は難航することになります。

ここまでの更新:

精神疾患への支援についてカテゴリの最新記事