統合失調症を持ちながら、グループホームで生活しているタロウさんの事例について~精神科入院から安定したグループホームでの生活まで~後編|第5回・精神疾患への支援について

統合失調症を持ちながら、グループホームで生活しているタロウさんの事例について~精神科入院から安定したグループホームでの生活まで~後編|第5回・精神疾患への支援について

①家族構成

・タロウさん(50歳)
・父親(80歳)
・母親(70歳)
・妹(45歳)
・妹の夫(48歳)
の5人です。

タロウさんの職業は無職で、妹は美容師をしており、妹の夫は弁護士をしています。

②関わっている支援機関

入院前は
・A精神科デイケア:精神保健福祉士、看護師
・A精神科系列の地域生活支援センター:精神保健福祉士(私)
・A精神科病院:主治医、看護師
が関わっていました。

入院してからは
・B精神科病院:主治医、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、
・保健所措置入院担当者
・警察官
が関わるようになりました。

退院直前になると
・市役所保健師
・相談支援専門員(私)
が関わるようになります。

最後には
・精神科グループホームのサービス管理責任者
も加わりました。

そして精神科グループホームに入所してからは、
・相談支援専門員
・C精神科関係の精神科グループホームサービス管理責任者
・市役所保健師
・C精神科デイケアの精神保健福祉士
が関わりました。

③精神科グループホーム選びはかなり難航しました。

当初は上手くいくと考えていた精神科グループホームの選定はかなり難航しました。

タロウさんが希望したのは私が所属している法人の精神科グループホームでした。

しかし私が所属しているホームのサービス管理責任者は、実はタロウさんが通院していた時に精神科デイケアで妄想を抱いた人でだったのです。

タロウさんの中でその責任者は当時の印象がかなり悪く、名前を言っただけで拒否されてしまいました。

正直言ってとてもがっかりしてしまったのをよく覚えています。

その事をタロウさんに伝えると、
「その人がサービス管理責任者なら俺もいやです。それなら隣町の施設がいいです。」
と言ったので、そちらも当たりました。

しかしそちらは過去に暴力行為をした人は「最初からお断り」の精神科グループホームでした。

正直言って私は困ってしまいました。

そしてその事をタロウさん自身と、B病院の精神保健福祉士に正直に伝えました。

そうするとB病院の精神科グループホームが、
「県庁近くにある精神科で新しい精神科グループホームが出来ているのですが、そこなら私の口利きが効くかもしれません。どうでしょうかタロウさん。そこなら私も一緒に見学に行けますよ。」
という話をだしました。

そうしたらタロウさんは
「あなたがそういうなら、見学してもいいです。」
と言ってくれ、そちらに見学に行くことになりました。

④C精神科グループホームが受け入れしてくれました。

そちらの精神科グループホームは、本当に街中にある精神科グループホームで、交通の便が非常にいい場所でした。

そして建物も新しく、正直言って私が入所してもいいと思うくらいの場所でした。

その場でサービス管理責任者に対して入所希望を伝えると、責任者は、
「管理者に聞いてみないと分からないけど、過去に親に対する暴力があったとはいえ、薬で改善しているのであれば、体験入所を断る理由にはなりません。
「だから市役所保健師に依頼して、認定調査を依頼してください。」
と言ってくれたのです。

その瞬間ほっとしたのをよく覚えています。

なぜかと言えば、認定調査をしたら、市役所はサービス等利用計画を提出さえしたら間違いなく支給決定するからです。

その翌日私は市役所保健師に認定調査の依頼をし、1週間後には認定調査に同行しました。

その際の市役所保健師から
「あなたがサービス等利用計画を提出さえしたら、この人は間違いなく支給決定でるからもう安心ですよ。」
と言われました。

そして私は体験入所に必要な書類を作成し、タロウさんに1週間の体験入所に踏み切ってもらいました。

体験入所の最終日にB病院の精神保健福祉士と一緒にタロウさんとサービス提供責任者を尋ねたところ、サービス提供責任者からは、
「確かにお金に関する妄想はいまでもあるけど、1日決まった額を渡したら、きちんと生活できたから、その事実を管理者には上申しておきます。
「急いで入所のためのサービス担当者会を開いてください。
「また私のところの精神科グループホームに入所するのであれば、デイケアが必須になるので、そちらもサービス担当者会議に呼んでください。」
と言われました。

その翌日に私は市役所保健師・妹夫婦・C病院デイケア精神保健福祉士に連絡を取りました。

⑤サービス担当者会後に無事入所となりました。

サービス担当者会には
・市役所保健師
・妹夫婦
・C病院デイケア精神保健福祉士
・B病院の精神保健福祉士
・c精神科グループホームサービス管理責任者
・相談支援専門員として私
が参加しました。

私がタロウさんの経歴を紹介し、B病院の精神保健福祉士が補足説明をしました。

そしてサービス管理責任者から体験入所中の経過が説明されました。

その際に管理者から、
「なぜタロウさんの出身地から遠いこの精神科グループホームに入所を希望したのか。」
との質問がありました。

私は意外過ぎる質問だったので正直言って戸惑っていたのですが、正直に
「体験まで受け入れてもらえる精神科グループホームがここしかありませんでした。
「以前の環境だとタロウさんが過去の事を思い出してしまい、症状が悪化する可能性が非常に高いのもあります。
「交通の便も非常にいいことから、こちらを希望しました。」
と説明しました。

そして市役所保健師やB病院の精神保健福祉士からも
「こちらの処遇システムはかなりしっかりとしており、適切なサポートができるのではないかと判断していると考えています。」
と言われました。

また家族代表としてタロウさんの妹と弁護士の妹の夫も参加していたのですが、妹は
「夫が弁護士だから、一緒になって成年後見人的な役割を果たします。そして金銭管理を行います。家賃や生活費は私か夫に請求してください。」
と言ってくれました。

その結果タロウさんはなんとかC精神科グループホームに入所する事ができました。

⑥その後は安定して生活しています。

その後私は相談支援専門員として年に2回程度面接をすることになりましたが、調子を崩すことなく、安定した生活を送っています。

C精神科グループホームに入所出来て本当に良かったと思いました。

お金に関する妄想は消えてはいませんが、薬を服用する事で過度な妄想は抑えられています。

そして今では生まれ故郷に時々外出できるまで回復しました。私はこんなタロウさんの生活を陰ながら応援していこうと考えています。

ここまでの更新:

精神疾患への支援についてカテゴリの最新記事