てんかんとADHDの合併、また薬の効能について|第六回・発達障害を考える

てんかんとADHDの合併、また薬の効能について|第六回・発達障害を考える

今日はどもり、手足の震え、多弁がひどいので「調子が悪い日」だ。だもんで、普段使用を抑えているリボトリールとアトモキセチンを「ひどい日」用の用量で飲んでいくことにする。

リボトリールはてんかんの、アトモキセチンはADHDの内服薬だ。今回はそんなてんかんとADHDについて話していく。

てんかんとADHDの関係性

てんかんと発達障害

てんかんは脳の病気の一種だ。脳が一気に色々な部分に指令を出してしまうことで身体の各部位が混乱し、身体コントロールができなくなる疾患である。

てんかん患者の約20%がADHDの特徴を有するとされ、自尊感情が低い、集中力に欠ける、多動や不注意の特徴を持つ、とされることが報告されている。

【てんかんinfo】てんかんとはどんな病気? fo

脳波を研究したところ、ADHDの子どもの多くに脳波の異常がみられ、幼少期にてんかんの症状が見られなくても、成長とともにてんかんを発症するケースも確認されている。

注意欠陥多動性障害(ADHD)をめぐる動向:新たな研究法の確立に向けて

発達障害とてんかん

またその逆もしかりで、てんかんを持つ子どもの20〜30%がASDやADHDなどの発達障害を発症することも指摘されている。

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つまり、てんかんを持っている人はADHDである可能性があるし、ADHDやASDである人はてんかんである可能性があり、それぞれのための薬が、もう一方の疾患の治療薬として効果を発揮するというケースがある、というのである。

個人的な散文的意見〜リボトリールについて

これはごく個人的な体験なのだが、氷野は、てんかんの薬であるリボトリールを初め、不眠の治療薬として処方された。

氷野はADHDやてんかんの例に漏れず、幼少期から眠りの問題を抱えてきた。うまく入眠できなかったり、眠りが浅かったり、中途覚醒してしまったり、起床時になかなか布団から出られなかったりする症状だ。

入眠時の多動性については思わず苦笑してしまうエピソードがたくさんある。

例えば、小さい頃に兄と隣り合って昼寝をしていたら、兄の腹にかかと落としをくらわせたことがある。また、高校の合宿では寝相が悪く隣の布団にはみ出して寝て、その布団に寝ていた子をぼかすかと蹴飛ばしていたそうだ。さらに社会に出てからは、仕事で大きなストレスを抱えていた時期にはわざわざ隣の部屋まで歩いて行って伴侶をぶん殴るなどの暴力行為に出ていたというのだ。

それらの行為は氷野の記憶にはまったくなく、寝ていたらあんなことをされた、こんなことをされた、というエピソードを聞かされても、ただひたすら申し訳ない、申し訳ないと謝るしかなかった。

そうした睡眠問題を解決するために医師から処方されたのが、リボトリールであった。

リボトリールは入眠の質をぐっとあげてくれた、と記憶している。もう二年以上は飲んでいるが、リボトリールを飲み始めてから、夢中歩行の回数がぐっと減ったと伴侶が証言している。

リボトリールの好影響は、日中にも現れた。

氷野は過集中すると、オーバーヒートしたパソコンのように、ガーッと音を立てて脳が回転しているような感覚に陥る。それは自分の意思で止めることはできず、パソコンがシャーッと回転している音をずっと聞いていなければいけないような不快感が続く。リボトリールは、それを改善してくれたのだ。

今では、脳が「回転しすぎ」な時や、そのせいで頭痛がする時に頓服薬として飲むこともある。

クロナゼパム:リボトリール,ランドセン

個人的な散文的意見〜アトモキセチンについて

また、お世話になって欠かせないのがADHDの診断の決め手となったアトモキセチンである。

アトモキセチンは突発的かつ慢性的なイライラに対して処方された薬だ。というのも、氷野は、だいたいいつもイライラしているのだが、そのイライラに理由はない。そこにいつも困らされていた。

イライラの感情が入る器があるとしたら、だいたいいつもひたひたにイライラが注がれていて、ふとしたきっかけでその器の中身が沸騰して怒りとなって噴きこぼれるイメージだ。

だから、明るい話題を振られても、楽しい遊びをしていても、なにかのトリガーがあると、ひたひたになった感情が怒りという形で溢れてしまうのだ。

残念ながら氷野にとってはアトモキセチンは、そうした感情をコントロールする助けにはならなかった。その代わりに処方されたミルタザピンという頓服薬が気持ちを鎮めてくれることになった。

しかしアトモキセチンの大きな功績は、氷野にとって、体のつっぱりを解消してくれた、という点において他に類を見なかった。

ADHDやてんかんなどについてたびたび言及されるところであるのが、身体のこわばりや硬直感である。アトモキセチンを服用した時、効果はすぐに現れた。無意識のうちに入っていた身体の力がどっとぬけ、「ああ、健康な人ってこういう身体感覚で生きているんだ、」と衝撃を受けたことをよく覚えている。

身体のつっぱりやこわばりが解消されたおかげで、眠る時や眠っている時に体を縮こませて筋肉が凝ってしまうということが減ったように思う。そのおかげでよく眠れるようになり、寝不足だから日中眠い、ということがかなり減少した。

特に、氷野には無意識のうちに歯を食いしばるという悪癖があったのだが、それが解消され、顎から首の筋肉が緩んだおかげで頭痛からかなりの頻度で解放されるという良い結果につながった。

どうしても心身の調子がおかしいのが治らない時は、うつや自律神経失調症だけでなく、身体のこわばりについても留意してみるとよろしいだろう。

アトモキセチン:ストラテラ

ミルタザピン:レメロン,リフレックス

総括

氷野は長いこと悪夢に悩まされてきた。子供の頃などは夜な夜な家族が死に見舞われる夢や部屋中が虫で覆い尽くされ体を生きたまま蝕まれる夢などを繰り返し見た。

中途覚醒をすることもよくあったが、氷野は小学校の頃から一人部屋を与えられていて、頼るよすがであるはずの両親は、氷野が助けて欲しい時にいつも部屋の扉を閉ざし、すうすうと眠っているので、起こすのもはばかられて唇を噛みながら自室へ戻った記憶が今でもありありと思い起こされる。

そのせいで、夜は嫌いだ。一人寝をせねばならないことが恐怖でならない。

しかし両親は比較的日中氷野を放任していて、何かに集中している時にそれを中断するようなことはしなかった。そのおかげで、こちらの記事に書いたように、学校教育の間、つまり親の庇護下にあった間はほとんどADHD的な問題を発現せずに要られたのだと思う。

学校教育の中で発見されなかったADHD|第二回・発達障害を考える – ココロメンテ.com

しかし不眠が、発達障害やてんかんのせいだというのはまったくの想定外のことであった。多動性のせいで不眠状態に陥っているという感覚はあったのだが、脳波という深い部分で身体的特性と不眠が関わっているとは思いもしなかったので、今、不思議な気持ちに襲われている。

次回は、発達障害と養育過程との関連について調べていこうと思う。

アイディアは、次から次から溢れて止まらない。

ではまた次回。

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