笑うと脱力してしまう…ナルコレプシーと情動脱力発作|第二十一回・発達障害を考える

笑うと脱力してしまう…ナルコレプシーと情動脱力発作|第二十一回・発達障害を考える

ラグビー日本代表がサモアに勝ちましたね!

ラグビーをちゃんと見たのは今大会の南アフリカvsイングランドの試合が初めてでしたが、家の中は夫と二人、大盛り上がりの毎日です。

ところで、大興奮をした後って無性に疲れるんですが、思い当たることがひとつありました。それは、発達障害や二次障害であるナルコレプシーの症状の一つ、「情動脱力発作」です。

笑ったり怒ったり興奮したりすると、一挙に体が脱力して、一切体が動かせなくなる経験をしたことがある発達障害の人は多いのではないでしょうか。それが「情動脱力発作」と呼ばれる症状です。

今回はそんな「情動脱力発作」について、私自身が脱力発作を起こす時を引き合いに出し、メカニズムをひもといていこうと思います。

情動脱力発作とは

発生のメカニズム

こちらは金沢大学が発表した、ナルコレプシーにおいて情動脱力発作がおきるメカニズムを説明した記事です。

感情の高ぶりによって脱力発作が引き起こされる神経メカニズムを解明!

こちらの記事によると、ナルコレプシーの患者の脳内では、オレキシン神経がうまく機能せず、睡眠発作や情動脱力発作を止めてくれるはずのセロトニンがうまく分泌されていないことが指摘されています。

セロトニンがうまく「眠くなっちゃう!」「脱力しちゃう!」という身体の反射を止められないことによって、日中の過眠が引き起こされたり、脱力が引き起こされたりするとのこと。

https://www.kanazawa-u.ac.jp/rd/46165

いやこれがつらいんだ…なかなか伝わったことがないんだけれども。

私の場合

私の場合、楽しいことがあると特に全身の力が抜け、起きているのもつらいくらいになります。

ほら、体育の授業でマラソン走らされた後にすっごく疲れてもう何もできないよ〜!ってなった記憶はありませんか。あれに似ているというか。

たくさん笑ったり喋ったりすると、次第に頭が重くなっていき、体から力が抜け、まっすぐ座るのも困難になり、最終的には意識が飛びそうになります。

夫と話をしている時に特に起こりやすく、「楽しい!」「嬉しい!」「面白い!」と思えば思うほど、体がずっしり、そしてぐったり…夫からは「楽しくないの?」なんて言われる始末。

でも、どうにかしようと思って我慢しても我慢しきれるものではなく、まるで理科の実験で作った出来損ないのスライムみたいにグニャーベチョベチョーとその場にへたり込んでしまうのです。

情動脱力発作のつらさ

理解されない

そのつらさはなんといっても「理解されない」ところにあるでしょう。

起き上がっているのもままならないくらいの脱力って、まず体験したことのない人の方が多いはず。体験したことがあっても、体育の授業がキツかったとか、部活でめちゃくちゃ走り込みをしたとか、そういう特殊な条件があって起こること。

それが日常的に、しかも楽しい場面で、大笑いすると脳が突然シャットダウンして、いわゆる「落ちる」状態になるなんて、そう簡単に想像がつくことではないのです。

それゆえ、見ている側からしたら
「えっ、今まで楽しく話してたのにどうしてそんなに急に『無』になってるの?」
と大混乱してしまいます。

それが引き金になって、何度夫とケンカになったことか…(しかも私は脱力状態で頭も働いていないのでそれが余計に夫の戸惑いに火をつけて怒りや虚しさの感情を引き起こしてしまうという悪循環)。

おちおち外出できない

この情動脱力発作はなにも家の中だけで起こるものではありません。むしろ、外出した時の方が、脳に飛び込んでくる情報量の多さゆえ、脱力発作を起こしやすいと、私自身は感じています。

脳に刺激を受け、楽しかったり、ウキウキしたりすると、脱力が起きる…。

しかしそこは出先なのでおちおち眠ることもできません。学校だったら居眠りでもできたでしょうが(私は学生時代居眠り王でした。眠るために学校に行っていたような気も…)、社会人ともなってくると、カフェでゆっくりするのが関の山。

家に帰ってきた後は泥のように眠ってしまうこともしばしばです。

フルタイムの仕事をしていた頃は、ひどいときには就業中に船を漕いでしまうこともありましたし、そうでなかった日は帰宅した時にそのまま布団に倒れこんで、夫が帰ってくるのも待てず、食事も忘れて3時間くらい眠ってしまうという状態。

見かねた夫に仕事を辞めるよう言われ(直接的な原因ではありませんが)、退職して一年、16時間眠って8時間起きる、という生活を送っています。(そりゃフルタイムの仕事なんて無理に決まってます…)

対処法は心を動かさないこと(泣

今は取り立てて対処法を持っているわけではないので、極力日中のルーティンを守り、なるべく興奮しないようにいつも同じ音楽をかけ、テレビなどからも離れて過ごしています。

外出するときは音楽を爆音で聴いて情報をなるべくシャットアウトし、ほとんど駆け足で目的地まで一直線に行き、事前に決めた目的を果たしたら速攻帰るようにしています。

テレビを見たり新しいものに触れたりするときは夫が家にいる数時間のみ。それも夫との会話は最低限。

夫は悲しんでいますが、なるべくイライラしないで、穏やかに、和やかに生きていくためにはこれが現状とれる最大限の対処法です。

ですから、ラグビーの大会を見るようになってからは、夫と過ごす時間が増え、共通の話題も増えて、とてもいい効果をもたらしてくれています。

今まで興味のなかったラグビーでしたが、今回の大会で南アフリカのポケットロケットのファンになって、日本の松島くんの大活躍に興奮して、夫と楽しい時間を過ごせたことはひそかにとても嬉しい出来事だったのです。

お医者さんに相談だ!

近々通院日があり、平日にもかかわらず今回は夫が同行できるよう休みを取ってくれたので、次回の通院ではこれらのことについても相談してみたいと思いました。

これも発達障害について調べてみないとわからなかったこと。

実は発達障害の中でも、情動脱力発作を発症する確率はあまり高くないそうです。以下のサイトによると、ナルコレプシーの症状がある人の60%は情動脱力発作があると感じているそうですが、実際に情動脱力発作を発症している人は20%程度だそう。

Narcolepsy Symptoms – Cataplexy | More Than Tired

私はてんかんの気もあるので、一概に発達障害>ナルコレプシー>情動脱力発作、と言ってしまえないところがあります。もういろんなものが重なりすぎていてなにがなんだか状態です。

夫からはお金を貯めて、人間ドックに行くことを勧められています。あまりにも日中疲れやすく、虚弱が度を越しているから、という判断だそうです。

てんかんははっきりと脳の疾患ですし、発達障害も脳疾患である可能性が高いとする研究結果が多く発表されています。輪切りにされて原因が脳にあるとわかるのであればそれに越したことはありません…。

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