「失恋をきっかけに感情のコントロールが難しくなりました。」…12の境界性パーソナリティ障害の症例⑥|第13回・精神疾患を考える

「失恋をきっかけに感情のコントロールが難しくなりました。」…12の境界性パーソナリティ障害の症例⑥|第13回・精神疾患を考える

境界性パーソナリティ障害の症例を見る、今回が最終回です。

「失恋をきっかけに感情のコントロールが難しくなりました。」

1. 身体や心の状態、悩まされている症状などについて教えてください。

私は中学3年の時に初めて付き合った人との失恋によって、私は誰からも必要とされてないと思い込み、リストカットを何度も繰り返すようになりました。
それ以降、感情のコントロールが激しく、落ち込んだ時にリストカットをしてしまうのが悩みです。

2. 病気のために社会や日常生活、人間関係等の中で困っていることを具体的に教えてください。

とにかく感情がコロコロ変わってしまって、困っています。
友人とランチに行ったりしても、周りから変な目で見られてしまってランチどころでは無くなってしまいます。
また子供に対して、優しく接していても、コロッと変わってすぐに怒ることがあります。

3. 通院・診断に至るまでの経緯を教えてください。

20歳の時にやはり失恋で精神的に不安定になってしまった事がキッカケで体調が悪くなってしまって、入院をしたのです。
そして原因が境界性パーソナリティ障害だと診断されました。
原因が判明して、何となくスッキリしました。

4. 通算の通院歴

5. 7年〜

5. 差し支えのない範囲で服用薬を教えてください。

ホリゾン、アメル

「怒りすぎて記憶をなくすことがあります。」

1. 身体や心の状態、悩まされている症状などについて教えてください。

感情のコントロールが非常に難しく、怒りすぎてしまいその後自己嫌悪に陥ってしまいます。
あまりにもひどかったら記憶がなくなってしまいます。
その際には胃がひどく痛くなる場合もあり、内科に行くこともあります。

2. 病気のために社会や日常生活、人間関係等の中で困っていることを具体的に教えてください。

他人の目が非常に気になり、なかなか外に行くことが出来ません。
また感情が爆発したら誰でも攻撃的に話をしてしまうので、誤解されてしまいます。
家庭でも同じように爆発してしまうので、家族とのけんかも絶えないです。

3. 通院・診断に至るまでの経緯を教えてください。

10年程度前に感情のコントロールが出来なくなり、記憶がなくなってしまう事が頻発したので、これはおかしいと思い受診する事にしました。
今では基本的には月に一回受診していますが、あまりにもひどい場合には週に一回程度受診しています。

4. 通算の通院歴

5. 7年〜

5. 差し支えのない範囲で服用薬を教えてください。

定期薬としてレクサプロ・頓服薬としてセルシン・リスパダールが処方されています。

総括

総じて、
① 見捨てられ不安が強い
② 感情のコントロールが困難
③ 他人と距離を取る・突き放すような言動を取る
④ ケンカやいさかいが絶えない
といった問題を抱えているケースが多く見られました。

恋愛関係においては相手に異常なまでに執着する・相手の愛情を疑う・相手から見放されるのではという不安を抱く、といった症状が強く見られました。

また恋愛外の人間関係についても同様の不安症状を抱きやすく、正常な人間関係を築けない・他人と適切な距離を保てない、といった問題を抱えるケースが多かったです。

感情のコントロールができないことで仕事や生活に支障が出るケースも多々見受けられました。

不安から他人を突き放すような攻撃的な態度を取るケースも多く、そのために他人との関係をうまく築けない・相手を傷つけてしまう・お互いに消耗してしまう、といった問題に発展するケースも多かったです。

境界性パーソナリティ障害の解決の糸口は、自分の見捨てられ不安を自覚すること・感情のコントロール方法を身につけることですが、それが一番難しいように思われました。

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